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出産するぞ!オークランド その2 トップへ 次へ
今日は、オークランドの新米ママの多くがまず訪れるという、T先生のところへ行った。先生は彼より少し年上な感じのバイリンガルな女性だ。NZには高校生の時からいらっしゃるらしい。
放射線技師しかエコーを扱えないこの国では、GPに行ったところで、肉眼で我が子を確認できるわけではない。でも、とりあえず、市販の検査薬ではなく、第3者から、きっちりとした「お言葉」をいただいて、実感してみたかった、というのが、今回の本当の目的だ。
先生のところで行ったことというのは、身長、体重、血圧の確認と、尿検査。尿検査の結果、ちゃんと妊娠が確認された。市販検査薬はあれほど正確なので、当たり前といえばそうなのだが、これだけでちょっとホッとした。
あとは、妊娠中の心配事、出産時の付き添いについてなどなど。
まだ時期が早いので、私もちょっとしんどいぐらいなのを除けば、具体的な相談はまだあまり、ない。とりあえず、今日のところは、先生に会ったというだけで、二人の精神安定剤になった。
次回は4か月になるころ、子宮ガン検診で内診をしてもらいに来るつもり。
 
その後、会社へ戻り、夜は遅ればせながらの新年会。そこで皆さんに報告。まだ5週ぐらいなのに、早すぎるかとも思ったが、つわりで残業が難しくなると思うので、理解してもらうとためにも、とのGMの助言もあってのことだ。
彼はすでに、社長には話していたらしく(俺から話しておく方がいいでしょ、と言っていた。さすが!)話は早かった。あとは、一部の人以外には話していなかったので、一同驚いていた。皆若く、独身が多い会社なので(多忙で出会いがない、という話もちらほら)、これに続いて、いい話がでれば、と思う。
今ではすっかり「夫」「パパ」の顔(少なくとも、私にはそう見える)の彼も終盤、合流し、10時半ごろ帰宅。
しかし今夜も、魚、特に刺身が多くて、食べられないものばかり。美味しそうだったが、それほど残念じゃないのは、つわりが始まりつつあるせいか。
 
2004年1月30日
とりあえず病院だろう、ということで検診に行くことになった。
場所はシティから20分ほど、セント・ヘリアス(St Heliers)にある大きな病院だ。
 
俺は自慢ではないけれど、NZに移住してから体調が良い。 札幌で生まれ育ったから故郷の気候については、「冬寒い」という以外はなんら疑問に感じたこともなかったが、ここオークランドの冬は札幌よりも20度は暖かい。夏は札幌よりも涼しく30度を超えることは珍しい。 そんなオークランドに住んでからというもの、酷い風邪を引いたのは一度だけで、格段に体調は良くなった。まあ、気候以外にもストレスなどの要因もあるだろうが、ここの気候は自分に合っているようだ。
 
そんな訳で、NZに来て病院のお世話になったことは一度もなかったので、実は今日が初めての病院訪問でもある。ちょっと緊張した。 病院に入ると、日本のそれと同じような「病院独特の雰囲気」を感じる。 レセプションで受付けをして、指定された待合所で彼女と待っていると、先生が現れ診察室に案内された。初診ということで、まずニュージーランドの出産システムについて話を伺った。 特に日本と違う点などを教えてくれたが、そもそも初めてなんだから日本でも出産についての知識なんて皆無な訳で、聞くことすべてが新しい知識だった。 話を伺った後、念のため先生に尿検査をしてもらった。もちろん俺ではなく彼女がだ。糖やタンパクは出ていないとのこと、そしてちゃんと妊娠していることも伝えてくれた。 その言葉はまるで、出所の分からない古い茶碗が、自分なりに調べてこれは古備前だと信じていた茶碗が、鑑定士に「これは間違いなく古備前です」と言われたような、そんな感じだ。
 
しかし、同時にそれは父親としての重責が待っているという意味だ。妊娠していることが分かってから、努めて父親として自覚を持とうとは努力しているのだが、子供はまだ「形」になっていないので、どうも現実感がない。そんなことだから、まだ父親という実感もない。
ただ、周囲の「お父さん」たちからの「子育ては大変だよー」という言葉だけが、頭の中で膨らんでいくばかり。その「育児は大変」という不安な響きの前に、自分たちの子供が産まれることに対する純粋な喜びは、どう努力しても出てこなかった。そのことが、何か自分が人非人のような気がして、ちょっと彼女に後ろめたい気もしていた。
と同時に、俺の最大限の長所「楽観的」も働き、「産まれてしまえば何とかなる」「大変なのは最初だけ」とも思っているのだが…。早く「育児は楽しい」という想像図が出てこないものか。
 
2004年1月30日
 
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